人生の文脈を交わす会について

 自分の人生について真面目に考え向き合っていくということは、善く生きるために大切なことだと思います。しかし、実際にそのようなことを行う道具や場と出会えるのかと考えてみると、思ったよりも難しいことなのではないでしょうか。

 自分の人生に向き合うというようなことを言い出すと、何やら神秘的で怪しいイメージが頭に浮かぶ人も多いと思います。実際に人の弱みや悩みにつけ入り、騙すような人や団体も世の中には存在すると思います。実際に存在することに加え、そうした人や団体に対する警戒心や疑念ばかりが肥大化している面もあります。それは一つの偏見を生み出しますが、偏見に一度囚われてしまうとなかなか拭うことができず、身動きがとれなくなってしまいます。

 そんな偏見や疑念と距離を置くようにして、読書やブログなどを利用し、自分一人で自分と向き合っていくという方法もあります。しかし、自分一人で自分と向き合うということは、そのための道具や場を自分で決めてしまうという限界があります。自分と向き合うことにおいて、他者からみた自己というものを知るということも重要なことだと思いますが、自分一人で向き合っていると、そのような機会が得にくくなってしまいます。また、ブログや本に書かれている人生論は美化されているものが多く、現状の自分とはかけ離れた世界のように思えて気後れしてしまうことがよくあります。

 他方で、あるコミュニティや仕事場に参加して、他者と触れ合ってはいるのだけれども、自分を抑制したり周囲に合わせてしまうことで、自分を見失ってしまうこともあります。

 

 そこで、お互いの人生を知り、意見や質問を突っ込み突っ込まれながら、自分の人生について自分で考えていける場を創れたら良いなと思い、「人生の文脈を交わす会」を開こうと思いました。他者から離れ孤独に生きるのでもなく、他者に合わせて自分を見失うのでもなく、他者と共に一人で生きていくことがどういうことかを模索していければ良いな、と思います。

 当会で行うことは、それぞれが自分の人生の現状の生きづらさ、抱えている苦悩や矛盾、これから行いたいこと、それらの原因や動機、現在活動中だけど人の意見を取り入れたいことなどを、文章にして持ってきて、読み合い、話し合うことです。最低でも作文用紙1~2枚分くらいは書いてきてください。それ以上の長さなら基本的にいくらでも良いです。(第1回では、短い人はA4用紙1枚の7,8割ほど、長い人は2枚半くらい書いてきました。その後、話をする中で自然と話が膨らんでいったので、作文の長さはそこまで気にしなくても良いものかなと思いました。)

文体や文章の構成の仕方は自由です。自分が一番やりやすい形でお願いします。

 当会の特徴になるであろうことを挙げておきます。

1、そんなにお金がかからない(交通費やコピー代はかかります)(場合によっては割り勘で場所代もかかることがあります)

2、医者ー患者、教師ー生徒、親ー子のような、わかりやすい権力関係がない

3、文章にすることで記録を共有し、蓄積することができる。

 人間は簡単に自分の過去の記憶を忘れるし、美化します。たまには記録に残して過去の自分と向き合ってみてはいかがでしょうか。過去の自分と現在の自分の矛盾や変化について考えることは楽しいし、自分をよく知るために必要なことだと思います。また、人から聞いた言葉が記憶に残っていても、それがいつ自分に影響を与えるかなんてわからないので、記録に残して読み返せるようにしておくことは大切だと思います。

4、対面している人から意見や質問が飛んでくる

 ネット上の交流や読書なら、自分に都合の悪い情報は見なかったことにできますが、対面ではなかなかそうはできないと思います。そもそも人間は自分から物事を考えることは難しく、人の言葉によって考えさせられることの方が多いので、自分のことを考えるためにも必要な環境だと思います。

5、過度なポジティブシンキングにはならない

 なぜなら主催者がポジティブシンキングを母胎に忘れて生まれてきたからです。少し意地悪な意見や質問をしてしまうかもしれません。

6、解決を目指す場ではない

 特にそれぞれの抱えている問題を解決していこうという場ではありません。話し合う中で抱えている問題を明確にし、言語化して掴めるようになること。良くも悪くも自分にとって新たな問いを創出できるようになれれば良いなと思ってます。

7、ある共通の性質を持った人の集まる場所ではない

 ある共通の物事についての専門知識や、問題解決のための適切な団体や人間を紹介できる場所ではありません。その代わり、自分とは違ったタイプの人に話を聴いてみたり、普段は接しないような視点から質問が飛んで来たりすることがあると思います。その時の参加者にもよりますが、専門性が無い分、多様性があるかもしれません。

 

 このような環境の中で、お互いの人生を知り、意見や質問を突っ込み突っ込まれながら、自分の人生について自分で考えていけるようになればと思います。先ほど、自分の生きづらさや苦悩や、これから行いたいことの原因や動機などを書いてきてくださいと述べましたが、そういったものは他の人と接して話して言語化していく中で明確になっていったり、変化していくことなので、そんなに肩肘張らずに書いてきてもらえれば良いと思います。

 一人で考える手段や場しか持たず困っていたり不安を感じている方、あるコミュニティに所属しているけど自分を抑制してしまって自分が見えなくなってしまっている方、自分のやっていることについて他の人の意見を聞いてみたい方などに、当会を利用してもらえればと思います。別に毎回参加する必要なんてないですし、気の向いた時に来てくれればと思います。一回様子見をしてみるって方も大歓迎です。

 

 場所はその時々によって変わると思いますが、基本的に都内で山手線圏内を予定しています。遠方で都内でやるのには参加できないけど興味ある方がいましたら、Skypeで同じ活動をしますので、気軽に連絡してください。

 

 参加したかったり、興味があって何か気になることがある方は、以下のメールアドレスかTwitterのリプライかDMで連絡をください。

 

           bunnmyaku@yahoo.co.jp

 

 最後まで読んでいただきありがとうございます。